コンビニ・ロスチャージ問題

2009 年6 月22 日,公正取引委員会は株式会社セブン‐イレブン・ジャパンに対し,独占禁止法 第19 条(不公正な取引方法第14 項〔優越的地位の濫用〕第4 号に該当)の規定に違反する行為 を行っているとして排除措置命令を行いました。

ロスチャージについて学ぶ

公正取引委員会によりますと,違反行為の概要は,「セブン‐イレブン・ジャパンの取引上の地位は加盟者に対して優越しているところ,セブン‐イレブン・ジャパンは,加盟店で廃棄された商品の原価相当額の全額が加盟社の負担となる仕組みの下で,推奨商品のうちデイリー商品に係る見切り販売を行おうとし,又は行っている加盟者に対し,見切り販売の取りやめを余儀なくさせ,もって,加盟者が自らの合理的な経営判断に基づいて廃棄に係るデイリー商品の原価相当額の負担を軽減する機会を失わせている」ということです。

セブンイレブンの見解

排除措置命令の受け入れについて 株式会社セブン-イレブン・ジャパン

株式会社セブン-イレブン・ジャパンは、2009年6月22日に公正取引委員会(以下 公取委)より排除措置命令を受けた事実について、真摯に受け止める とともに、以降、第三者の意見等を踏まえながら公取委とも協議を重ね、 慎重に検討してまいりました。 弊社では、本日(8月5日)、当該命令の受け入れについて、公取委に報告 するとともに正式決定いたしました。 当該命令に係り、加盟店オーナー様はじめ関係者の皆様方にご心配等を お掛けしたことにつきまして、深くお詫び申し上げます。 弊社は、今後も加盟店様との信頼関係をより一層強固にするとともに、 加盟店様の満足度をさらに向上すべく、経営努力を続けてまいる所存です。


以上。

ロスチャージとは

システムマニュアルの損益計算書についての 項目に、「売上総利益」は売上高から「純売上原価」を差し引いたものであるこ と,「純売上原価」は「総売上原価」から「仕入値引高」,「商品廃棄等」及び 「棚卸増減」を差し引いて計算されることが記載されていたこと等法廷意見記載の ような諸事情を考慮して,本件条項所定の「売上商品原価」には,廃棄ロス原価及 び棚卸ロス原価は含まれないと判断されたものである。

しかし,本件条項の解釈として,上記のように解釈することが相当であるとはい うものの,本件契約書におけるチャージの算定方法についての規定ぶりについて は,明確性を欠き,疑義を入れる余地があって,問題があるといわなければならな い。

本件契約である加盟店基本契約は,上告人が一方的に定めたものであって,加 盟店となるには,これを承諾するしかなく,これを承諾することによって,加盟店 契約が締結されるものであるところ,チャージがいかにして算出されるかについて は,加盟店の関心の最も強いところであるから,契約書上それが加盟店となる者に 明確に認識できるような規定であることが望ましいことはいうまでもなく,また, そのような規定を設けることが困難であるという事情もうかがうことができない。

チャージとは

チャージは,加盟店に対する店舗経営に関するサービス等に対して支払われる対価 であることから,加盟店としては,店舗経営により生じた利益の一定割合をチャー ジとして支払うというのが,一般的な理解であり,認識でもあると考えられるので ある。

ところが,廃棄ロスや棚卸ロスは,加盟店の利益ではないから,これが営業 費として加盟店の負担となることは当然としても,本件契約書においては,これら の費用についてまでチャージを支払わなければならないということが契約書上一義 的に明確ではなく,被上告人のような理解をする者があることも肯けるのであり, 場合によっては,本件条項が錯誤により無効となることも生じ得るのである。

加盟店の多くは個人商店であり,上告人と加盟店の間の企業会計に関する知識, 経験に著しい較差があることを考慮すれば,詳細かつ大部な付属明細書やマニュア ルの記載を参照しなければ契約条項の意味が明確にならないというのは,不適切で あるといわざるを得ない。

それでも,上告人担当者から明確な説明があればまだし も,廃棄ロスや棚卸ロスについてチャージが課せられる旨の直接の説明はなく,こ れらが営業費に含まれ,かつ,営業費は加盟店の負担となるとの間接的な説明があ ったにすぎないというのである。

上告人の一方的な作成になる本件契約書における チャージの算定方法に関する記載には,問題があり,契約書上明確にその意味が読 み取れるような規定ぶりに改善することが望まれるところである。

企業会計原則

売上総利益は売上高から売上原価を控除したものをい うところ,本件契約においても,売上総利益は売上高から売上商品原価を差し引い たものとされているから,本件条項所定の「売上商品原価」の文言は,企業会計原 則にいう売上原価と同義のものと解するのが合理的である。

また,廃棄ロス原価及 び棚卸ロス原価を売上原価に含めないという上告人方式による会計処理は,企業会 計原則上認められている会計処理ではあっても,企業会計上一般に採られている原 価方式とは異なるものであるから,契約の条項において上告人方式によることが明 記されていない以上,「売上商品原価」は,一般に理解されているとおり,廃棄ロ ス原価及び棚卸ロス原価を含む「売上原価」を意味するものと解するのが相当であ る。

フランチャイズ取引における廃棄ロスとモラルハザード

楠田 康之 (日本福祉大学経済学部)

コンビニエンスストアのフランチャイズ・チェーンにおいて,フランチャイズ本 部が加盟店に対して廃棄原価に対してロイヤルティを課す契約(「ロスチャージ」)について,モ ラルハザード問題との関連において分析する・・・・・続きはこちら>>>PDFファイルですAdobeリーダーは下記Adobe無料ソフトからダウンロードできます。

本当に誰がこんなややこしいシステムを作ったのでしょうか?

ここまでのややこしさを演出するのにはなぜか?

詐欺的要素があるような気がしてなりません。しかし、このシステムを覚えない限り、何時まで経っても本部のい・い・な・りにならなければならないのです。

上記のモラルハザード理論でも、一般にCVS は売り切れによる評判 の低下を非常に嫌うと言われ、これが加盟店に対する発注量の強制とロスチャージを生み出した 背景にあるという見方もできる。ロスチャージについてさらに分析するならば,例えばチェーン 間競争的な小売市場で売り切れによる機会費用がどのように最適発注量を決定するか考える必要。と結論づけています。

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